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消化管出血の治療

上部消化管出血は、日常診療においてよく遭遇する病態ですが、その原因疾患として消化性潰瘍、急性胃粘膜病変(AGML; acute gastric mucosal lesion)、胃癌、マロリーワイス症候群、食道-胃静脈瘤など種々の疾患があげられます。
これらに対する治療法としては、大きく内科的治療法と外科的治療法に分けられますが、近年、強力な抗潰瘍剤の登場と、内視鏡的止血法の進歩により、手術症例は減少しつつあります。しかし、これらの内科的治療法による止血にも限界があり、適応症例の適切な選択と、必要であれば手術に踏み切る決断が重要です。今回は、当院で主に行っているクリップ止血法について説明します。

出血血管を物理的に把持止血するクリップ止血法は、外科手術における針糸結紮に相当する手技です。
クリップ止血法の利点は、病巣挫滅が少なく安全な上、効果が確実なことであり、うまく出血血管の深部で把持できれば、再出血の心配はほとんどありません。
反面、繊維化が高度な出血巣ではクリップ把持そのものが不可能なこともあり、この点では、比較的容易に一時的止血のできる他の止血法(純エタノール局注法、ヒートプローブ法、マイクロ波凝固法、レーザー法、高周波凝固法など)とは若干異なります。しかし観点を変えると、この止血法の適応が明確であることは、外科手術を決断する上で好都合であり、いつまでも内視鏡的止血に固執できない当院のような一般医療施設に適した手技といえます。では、出血性胃潰瘍に対しクリップ止血を行った1例を供覧します。

内視鏡画像:胃角部
▲写真1
胃角部に巨大な潰瘍があり、出血を伴う露出血管(矢印)を認めます。

内視鏡画像:消化管
▲写真2
クリップを開脚します。

内視鏡画像:消化管
▲写真3
露出血管の深部を把持します。

内視鏡画像:消化管
▲写真4
止血4週間後。潰瘍は縮小し、もちろん出血も認めません。