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食道の治療

今回は、早期食道癌内視鏡的粘膜切除術の概要についてお話ししましょう。
粘膜内のみにとどまる早期食道癌におけるリンパ節転移の頻度は極めて低いと考えられています。このため、治療に際してリンパ節の郭清を考慮する必要はほとんどないと考えてもよいでしょう。
食道の一般的な扁平上皮癌を対象とする限り、

  1. 病変の境界はヨード染色法にて確実に不染帯として描出できること
  2. 最も表層にある粘膜層を、粘膜下層と共に切除する内視鏡的粘膜切除法(以下EMRと略)の治療手技が確立された。
  3. 粘膜癌に対して、外科的食道切除術とEMRとの間に治療成績に概ね差がないことが確認された。

以上の理由により、食道粘膜癌に対する治療にはEMRが第一選択を考えられています。

一方、稀とはいえ、

  1. 穿孔、出血、縦隔洞炎、狭窄等の合併症を生じる可能性。
  2. 癌の遺残、リンパ節転移、遠隔臓器転移に起因する再発、異時性食道癌の発生する可能性。

を完全に否定することはできません。従って、食道癌に対するEMRを実施するには、一定の水準以上の内視鏡的手技が要求されるばかりではなく、食道癌に対する深い知識、正確な診断が要求されます。
以下に、実際にEMRを行った食道粘膜癌の症例を呈示します。

内視鏡画像:粘膜癌と診断した食道
▲写真1
中部食道に不整形のルゴール不染帯を認め、粘膜癌と診断しました。生検病理組織検査では、通常の扁平上皮癌でした。この病変に対し、EMRを行いました。

EMR49日後の同部の内視鏡写真
▲写真2
EMR49日後の同部の内視鏡写真です。はん痕は残っていますが、明らかな不染帯は認めません。また、生検でも癌の遺残はありませんでした。